現在の社員数は約60名。平均年齢は30代半ば。
オフィス構築支援のデザイン担当者のバックグラウンドは、家具メーカー、オフィス・店舗、住宅設計経験者など多岐にわたる

家具のサブスクリプションという、日本で誰も手がけていなかったサービスを提供するため、２０１６年に創業した同社。現在は、法人向けの「オフィス構築支援」、個人向けの「サブスクライフ」、ブランド家具・家電販売の「サブスクライフオフプライス」の３つの事業を展開している。

「高価な家具は手が出しにくい一方で、大量生産の安価な家具が使い捨てにされるという実情があります。しかし、サブスクという新たな選択を提案すれば、良質な家具を利用するハードルを下げられると考えました。家具を長く使用し、廃棄を減らす方針は、近年の環境保護への関心の高まりと合致しており、契約の増加につながっています」と同社ＣＥＯの町野健氏は語る。

現在、事業の主軸は法人向けのオフィス構築支援であり、売り上げシェアの８割強を占める。上流の要件定義から空間デザイン、家具の選定、移転業務までをワンストップで支援する体制だ。家具はサブスクと一括購入の両面から提案を行うが、経費化や初期コスト軽減が叶うため、サブスクを念頭に置いた相談が多いという。

「新型コロナ禍のなか、家具を一括購入するリスクもあって、法人のサブスクニーズが高まってきました。さらに、リモートワークの普及に伴い、〝あえて出社したくなる〞価値あるオフィス空間が求められてきています。人材確保の観点からも、良質なオフィス家具への投資は経営者として不可欠な視点であり、戦略的な考え方と言えるのではないでしょうか」（町野氏）

オフィス構築支援チームでは、現在20名ほどのメンバーがコンサルタントとデザイン業務を担っている。営業・ＰＭを担当する野田斉氏の前職は、オフィスのファシリティマネジメントを手がける大手企業だった。

「家具のサブスクという新たなビジネスモデルに興味を覚えるとともに、スタートアップの環境に身を置いてみたいと考え、転職しました」（野田氏）

一方、デザイン設計業務を担当する水野菜月氏は、大手内装設計事務所からの転職である。

「デザイナーとだけではなく、マーケティング、マーチャンダイジングなど、様々なチームと協力して共通の目標に向かう仕事が魅力でした」（水野氏）

両氏が加わった２年前頃から、オフィス構築支援事業は大きく躍進し、現在の案件数は月ベースで70〜80件。デザイナーはそれぞれ月４〜５件のデザインを並行して進めているという。

「スピード感が要求される場面が多く、メンバーそれぞれがうまくデザイナーと連携し、チームワークよく案件を進めていきます」（野田氏）

サブスクは、契約時期の更新確認を定期的に行うため、改修や拡大の要望を逃しにくい。家具の交換だけで空間のアップデートに対応できるのも、サブスクならではのメリットだ。

「現在の取り扱い家具は約６００ブランド、約12万種類。仕入れを担当するＭＤチームが家具メーカーと連携して勉強会を開き、情報のキャッチアップを絶えず行っています」（水野氏）

今後は、幅広い家具メーカーとの取引の知見を生かし、新規事業として家具業界や内装設計業界の労働集約的な業務を効率化するナレッジ提供ツールを開発する計画も進む。

常に新しい目線で、スピーディーな事業展開を行う同社が目指しているのは、「家具業界の革命」だ。町野氏自身、「業界未経験でこの事業を起こしたからこそ、見えてくるニーズがたくさんある」と力強く語る。

「よいものが長く循環する社会に貢献できるのであれば、どんどん新しいビジネスを展開していきたいと考えています。現在はオフィス構築支援が急拡大しているため、この分野の経験者や有資格者に参画いただきたいのですが、経験や資格の有無にかかわらず、〝革命のページ〞に自ら名を連ねたいという熱意のある方も大歓迎。家具業界から社会の流れを変えていく挑戦を、我々と一緒にしてみませんか」（町野氏）

自社オフィスの家具は、当然だが上質なものをそろえている。さながらブランド家具のモデルルームのような仕事環境である