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登録建築家の活動可能性を広げるため、<br>「賃貸住宅に強い建築家」ブースを出展

登録建築家の活動可能性を広げるため、
「賃貸住宅に強い建築家」ブースを出展

STAPLE HOUSE KOGASAKA

2019年7月30日・31日、クリーク・アンド・リバー社建築グループ・プロデュースチームは、賃貸住宅に強い登録建築家13名をラインナップし、全国賃貸住宅新聞社が主催する「賃貸住宅フェア®2019 in 東京」に出展。
直接、建築家と不動産オーナーを結びつける初の試みの狙いと、成果をリポートする。

安定稼働を実現する賃貸物件を提案

 近年、人口減少に伴って入居者確保に苦労する賃貸物件が増加している。こうした中にあって、旧態依然とした仕様の賃貸住宅では、入居者確保は難しくなる一方。しかし、多くの賃貸住宅においては、入居者のライフスタイル志向に応える意匠や設計といった概念にはおよそ無縁であった。そんな潮流に一石を投じ、住み手が望むライフスタイルを見極めた魅力的な賃貸物件づくりを通じて、長期入居・安定稼働を実現させるべく打ち出したのが、「クリエイティブ・レジデンス・シリーズ®」だ。

 これまで、ゴルフ愛好者向けにゴルフシミュレーターやアプローチ練習場などを備えたリノベーション集合住宅や、都会で〝農ライフ〞が楽しめる屋上菜園付きのテラスハウス、生活スタイルの変化に追従させやすい自由度とビルトイン・ガレージを備えた戸建住宅などをプロデュースしてきた。


「本イベントの主催者である全国賃貸住宅新聞社も、紙面で我々の問題意識と同様の主旨の啓発記事をよく掲載されていました。そこで、『クリエイティブ・レジデンス・シリーズ®』に対応してもらえる登録建築事務所の作品を展示するとともに、その場で来場者が相談できる大型ブースの共同設営を提案したところ、賛同していただけたのです」

 建築グループは、13社の登録建築事務所を選定し、うち1人の建築家がイベントブースのデザインも手がけた。

セミナーも行われ、鈴木が「行列のできるこれからの賃貸企画」を講演


予想以上の反響さらに規模拡大へ

成果としては、2日間の会期で700人以上を集客、120人以上から相談があり、すでに数件が具体的な打ち合わせに入っている。

「予想以上の反響でした。中には、このブースを目がけて相談に来られた親子連れの方がいました。土地を子供に相続するにあたり、有効活用策を誰に相談すればいいかわからないでいたとのこと。感激しましたね」

  参加した13社の建築事務所にとって、こうした展示会への参加は初めてのこと。日頃、不動産オーナーに営業するといったことに無縁の建築家にとっては新鮮な体験で、好評を得たという。

ホチキスの針状のデザインがコンセプトの「STAPLE HOUSE®」を紹介するコーナーでは、VRによる疑似見学会も行われ好評を得た


「今回参加してくれた建築家のほとんどから『来年以降も続けてほしい』と言われています。さらに規模を拡大し、建築家が賃貸住宅づくりを手がける文化を定着させる大きな足がかりにしていきたいと思います」

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PROFILE

遠藤慎也
全国賃貸住宅新聞社 取締役 企画開発部

当紙としては、空き室の増加が社会問題となる中、代わり映えのしない賃貸物件では入居者が決まらないという問題意識を発信してきました。このほど、クリーク・アンド・リバー社さんからブースの提案を受けた時、同じ問題意識として共鳴し、共同設営とすることにしました。つくっていただいたブースは斬新な造作で、パネルや映像をフックに多くの来場者が訪れていたと聞いています。何よりも、不動産オーナーが建築家と直接話せるイベントはこれまでなかったものなので、当社としても非常によかったと思っています。賃貸住宅経営の動機として、相続における節税対策という面が強くあると思います。魅力ある物件づくりにまで関心が向きにくい状況を、今後も本企画を継続させ、変えていくきっかけにしていきたいですね。

須貝重義
株式会社シグアーキデザイン代表

古くなって稼働率が落ちた賃貸物件をどう再生するかといった意識の高い不動産オーナーが多く集まるイベントだと聞いていたので、鈴木さんから声をかけてもらった時にすぐ参加を表明しました。私は「クリエイティブ・レジデンス・シリーズ®」としてゴルフ愛好者向けリノベーション集合住宅を手がけましたが、こうした具体例を見てもらえるいい機会だと思ったからです。実際に多くの不動産オーナーと話すことができました。それぞれ問題を抱えていることがわかり、自分の考えをお伝えしましたが、今後につながる期待を感じるよい機会だったと思います。我々のような建築設計事務所のPR手段はホームページや雑誌記事くらいしかなく、不動産オーナーに直接営業する機会は皆無です。こうした機会は、非常に貴重ですね。

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