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人々の人生に新しい選択肢を――。 </br>その可能性を建築の力で広げていく

人々の人生に新しい選択肢を――。
その可能性を建築の力で広げていく

一級建築士事務所 秋山立花 秋山怜史

才能ある同級生の中で〝適者生存〞を模索

高校時代、野球に打ち込んでいた秋山怜史氏は、大学の建築学科進学後すぐに衝撃を受けた。同級生はすでに国内の建築を見て回り、恐ろしく絵もうまい。「入る場所を間違った」と思ったのが建築との付き合いの始まりだった。

「野村克也氏は巨大な戦力に立ち向かうための弱者戦略を説き、長谷川滋利氏は『適者生存』という本を書いています。環境に適合することが重要だとしたら、ここで生き残るためにはどうしたらよいかを考えました」

それには、差が開いていることではなく、同じスタートラインの勝負を挑めばいい。模型とプレゼンの技術を磨き、2年次の住宅課題で東京建築士会の住宅課題賞最優秀賞を受賞。それを弾みに設計への意欲も高まり、4年間のすべての設計課題で高い評価を得ることができたという。

「大学の建築教育により、後天的に身につけた能力は大きいです。設計課題をとおして社会に対する目が養われましたし、人に伝える能力も鍛えられました」と秋山氏は語る。

卒業後は、大学で助手を務めていた西田司氏が代表を務める事務所へ就職。3年後の独立を目標に、一級建築士の勉強と並行して経営書を読み漁り、3年目には2人の新人を教育しながら7件の住宅設計をこなして事務所への貢献を果たした。27歳の誕生日を迎えた頃、オンデザインの方針転換と、管理建築士要件の変更が重なる。独立するには今しかないと思えるタイミングだった。

「秋山立花を設立したのは2008年、リーマンショックの年でした。自分の力だけでやっていきたいと思ってみたものの現実は厳しく、オンデザイン時代に培った人脈からの仕事でつないでいましたが、それもいつかは途切れてしまう。今後、どうすれば経営を続けられるか、真剣に考えざるを得ない状況となりました」

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明確な目標は定めず、目の前の課題に向かう

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PROFILE

秋山怜史

秋山怜史
あきやま・さとし

1981年、茨城県生まれ。
2005年、東京都立大学工学部建築学科卒業。
08年、秋山立花設立。

横浜国立大学非常勤講師(14~18年)
神奈川県地方創生推進会議委員(15~16年)
京都市ソーシャルイノベーション研究所フェロー(18年~)
長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターアドバイザリー・メンバー(19年~)
NPO法人全国ひとり親居住支援機構代表理事(19年~)
東洋大学非常勤講師(20年~)

一級建築士事務所 
秋山立花

所在地/横浜市中区相生町3-60 泰生ビル3階
TEL/045-323-9347
https://akiyamatachibana.com/

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