家具メーカーの強みを生かし、業容を拡大! スペースデザインの最適解を追求し続ける
オリバー 東日本デザイン部
メーカーの枠を超えたインテリアソリューション
オリバーは、様々な空間の創造をワンストップで提供するデジタル・インテリアソリューション・プロバイダーである。創業は1967年、既製家具の製造・販売からスタート。以来、会社の規模拡大とともに、オーダーメイド家具も手掛けるようになり、現在ではデジタル技術を駆使しながら、空間提案やコンサルティング、内装設計・施工など最適なインテリアソリューションサービスを提供している。
「家具単体の依頼をお受けした時にも、お客さまが空間全体のイメージを掴めるよう、内装の提案まで行ってきたことが、空間全体を含めたご依頼へとつながってきました」
と東京デザイン第2事務所所長の新谷陸氏は語る。
「宿泊」「商環境」「オフィス・文教・公共」「チェーンストア」「医療・福祉」、5市場にわたる空間設計の全案件を同部署が受注するなか、新谷氏のチームはワークプレイスの設計をメインに担当。同社がオフィス市場に本格参入し始めたのは、ここ5年ほどのことだ。
「長い実績のある競合他社と同じベクトルで勝負をしても、とても太刀打ちはできません。ですが、当社のデザインアプローチは通常の真逆で、最初に家具・インテリアを設定し、そこから空間全体へと広げていきます。このような当社ならではの目線で空間提案を行ってきた実績が、お客さまの価値認識につながり、ご依頼が増加しているポイントだと考えています」
空間において、高さや形状など家具のあり方が、働く人の行動に影響を与え、ひいては働き方さえも変えるのだという。組織を横断し、家具デザインを手掛けるプロダクト設計部のメンバーを含めてチームを組成することで、ファーストプレゼンテーションの段階から一歩踏み込んだ提案を行っている。
「家具に関しては、創業以来のデザインノウハウがプロダクト設計部に蓄積されています。ソファ一つとっても、ホテルに置くかワークプレイスに置くかでは、座面の奥行も硬さも変えなければいけません。このような細かな部分まで提案をさせていただけるのも、我々の強みだと思っています」
各市場で培ったナレッジを他の市場に踏襲することで、よりよいデザインが磨き上げられていく。特に柔軟な働き方が主流となり、ラウンジのようなフレキシブルなコワーキングプレイスが注目される近年のオフィス市場において、ホテルのラウンジ家具などを多く手掛けてきた同社のナレッジが発揮するポテンシャルは大きい。
インテリア×デジタルで新たな価値を創造
同社ではデジタル技術を駆使した提案にも注力。プレゼンテーションに際しては、VRによるシミュレーションを作成。リアリティある空間の再現と、色変更などの要望をリアルタイムに可視化することで、齟齬のない打ち合わせが可能だ。また、家具のIoT化としてスマートフォンアプリで家具を動かす「スマファ」を発表。インテリアとデジタルの融合を試みている。
現在は、デザイン設計部、プロダクト設計部、カタログ製品の企画・開発を行う製品企画部に、全国で約90名のデザイナーが在籍。デザイナーのバックグラウンドは美術デザイン系が70%、建築系が30%ほどだ。また、女性社員は全社員の約40%、休職からの復職率が89%という数字から、働きやすい企業文化がうかがえる。
現在、すでに家具メーカーの領域を超えて活動している同社だが、今後は空間の使い方を含めたコンサルティング業務から現場管理までのトータルな受注を目指す方針である。そのため、社内の体制を強化し、一級建築士など、設計事務所などで経験を積んだキャリア人材の登用も進めている。
「家具・インテリアという色が強かった当社ですが、これからは〝インテリア、スペースデザインならオリバー〞と想起していただけるよう、事業と人材を進化させていきたいと思います」
- 東日本デザイン部 東京デザイン第2事務所 所長新谷 陸
Takashi Niiya にいや・たかし/
2013年、名古屋市立大学芸術工学部(グラフィックデザイン専攻)卒業後、
株式会社オリバー入社。岡崎本社、大阪支社勤務を経て、19年、
東京本社の東日本デザイン部に着任。
これまで、ホテル、福祉施設、大学の食堂、カーディーラーなど多様な施設の
スペースデザインを手掛けている。
- 株式会社オリバー
所在地(東京本社)/東京都江戸川区西葛西6-27-19
https://www.oliverinc.co.jp/オフィス、ホテル、レストラン、商業・医療・公共空間などのインテリア・内装に関するすべてのソリューションをワンストップで提供。すべてのプロセスにおいて、デジタルテックの活用に取り組んでいる。