行政・民間事業者を支援する地域創生事業。 計画から設計・運営まで、ワンストップで!
長大 まちづくり事業部
事業の立ち上げなど上流工程からも支援
橋梁や道路、港湾、河川などの社会インフラの分野、あるいは交通、環境などまちづくりの分野で事業を展開する株式会社長大。明石海峡大橋や瀬戸大橋、レインボーブリッジなど、日本を代表する長大橋の多くを手掛けていることで知られる。その実績は、調査・計画から設計・維持管理までインフラ完成に至るプロセスを一気通貫で支援する建設コンサルタント会社のなかでもトップクラスといえる。
2010年からは〝総合コンサル〞として建築分野にも進出、さらに事業領域を拡張した。今回紹介する「まちづくり事業部」は同社のなかでも若い部署であり、その誕生は5年前のこと。事業部長の郷田智章氏に経緯を聞いた。
「社会情勢をふまえた新しい事業推進戦略の柱の一つとして『地域創生』を掲げたことに端を発します。以来、行政・民間事業者のパートナーとなり、公共施設や公有地の有効活用を自治体目線で検討、学校教育施設や医療福祉施設といった準公共施設を中心に建築物の計画・設計を行うようになりました。クライアントも官公庁から民間事業者までと広範です」
まちづくり事業部のコンセプトは「まちを、地方を、げんきにする」。そこでは、各自治体や地域が抱える課題やニーズを自治体側の立場から掘り起こす「PPP推進部」、具体的な設計を担う「建築設計部」、そして自ら事業者の一員となって地域と連携してサービスを提供する「PPP開発部」が連携することで、まちづくりをワンストップで展開している。なかでも建築士が多く在籍するのが「建築設計部」だ。文教と医療福祉の2分野に注力し、実績を積み重ねてきた。とはいえ同社の強みはやはり各部門が連携してのワンストップサービス。基本・実施設計にとどまらず、構想段階からの企画提案やコンセプトづくりなどの上流部分
も手掛ける。
「例えば、生活介護事業所の『ぷらむつりー』は、施設を運営するNPO法人の立ち上げから、建築設計、工事監理とすべての業務を担当しました。当社の強みが存分に生きた例でもあり、今後はこうした案件を増やしていきたいと考えています」(建築設計部 ゼネラル・マネージャー 山本憲彦氏)
「事業部を超えての連携もあります。例えば、新潟駅・万代広場のペデストリアンデッキの設計は当社が担当していますが、デッキ自体は土木の領域でも、意匠は建築系の人間が補える部分が多いのです。建設コンサルのなかにある建築部隊ならではの業務だと思います」(建築設計部 栗林宏至氏)
得意分野が異なる建築士の採用に意欲
社会インフラを通じて人々の暮らしを豊かにすることが長大の使命。それはまちづくり事業も変わらない。
「ユーザーが使いやすいと感じる設計思想を持ってこそ、本当に必要な施設設計が可能になります。〝答えは一つではない〞ことは承知のうえで、ユーザーやクライアントの声を聞き、軌道修正を繰り返しながら最適解を引き出していく。社会情勢が急変していくなか、簡単なことではありませんが、そこにやりがいを感じますね」(郷田氏)
まちづくり事業部には、同社の基幹事業である建設コンサルタントに従事してきたメンバーが多く在籍するが、業務範囲の広さに対応するため多種多様なバックグラウンドを持つキャリア人材も採用。
「官公庁や、ホテル、医療機関からの転職者も活躍しています」(郷田氏)。
建築設計部も同様だ。建築設計事務所でノウハウを蓄積したメンバーを中心としつつ、特に文教と医療福祉分野の設計経験者を求めている。
「まちづくりという視点から眺めれば、都市の再開発などまだ当社が有していない専門分野が多々あります。そうした専門性を持った建築士の方にジョインしていただくことで組織の増強を図りたいと思います」(山本氏)
- まちづくり事業部 事業部長郷田智章
Tomoaki Goda ごうだ・ともあき/
1997年、岡山大学大学院工学研究科修了後、株式会社長大に入社。
主に環境計画分野の技術者として、道路など社会インフラ計画の
コンサルティングに従事。
2020年、まちづくり事業部事業部長に就任し、現在は地域創生事業に注力。
技術士(建設部門:道路、建設環境/総合技術管理部門)。
- 株式会社 長大
所在地/東京都中央区日本橋蛎殻町1-20-4
https://www.chodai.co.jp/
本州四国連絡橋架橋を目的に設立された組織をルーツに持つ。
創業以来、長大橋梁を中心とした土木建造物、道路や鉄道、港湾、
また学校や病院施設といった社会インフラ事業を通じて、
よりよい生活環境づくりに貢献する。